斑点紋の丸玉に大きな紐通しの輪を施した、希少なペンダント型の銀化ローマン・ビーズ

¥6293

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商品の説明

本品は、アフガニスタンで出土した、紀元前後から4Ｃほどに制作の、ペンダント・トップ型のローマン・ビーズと、入手時に説明されました。
丸玉の上に、これとほぼ同じサイズの紐通しの大きな輪がついたビーズは、エジプト新王国、18王朝末期から19王朝（前13C～前12C）頃のペンダント型アイ・ビーズに先例が見られ、大きなアイに　ほぼ同サイズの紐通し輪がついています。本品の類例は、200～300年頃に見られます。研究書 A Bead Timeline 200-300年の項に、壺型や花瓶型のビーズと一緒に、3例掲載され、その1つ、大きな紐通し輪のビーズは、黒い胎で、青、赤、黄などの小さな斑点が多数施されています。
　本品の丸玉に、本来の彩色斑点は凹んで白く見えますが、よく見ると、小さな白い凹みに銀化彩色が見られ、金色、緑や青、ピンクがかった銀色が光っています。胎のやや下に、大きめの銀化彩色した形が、胎の茶黒と対照的な、金、緑がかった銀色キラキラと真珠の様に輝きます（画像では再現が難しいですが、なお、3,10、11枚めは光を当てています）。
　黒い茶か、茶の混ざった黒という胎の色は、銀化していない丸玉上部から確認でき、また、紐通の輪に見られる、つやつやした黒茶色が、本来の色であったと考えられます。銀化していない胎には、黒ののなかに黄の斑点が2つ見られ、その1つには黄の斑点の縁には細い黄橙の枠も施されています。黒の斑点の横上には黄の斑点に、黒の小さな点。アイも見られます。古代ビーズでは、黄は金の代用と見なされましたので、本品も黒茶の胎に、赤や青でなく、多分、黄、金の斑点紋が多数施されていたと思われます。
　紐につるす黒茶の輪では、一方の端に粉末状の茶、他方にも茶の粉末が少し見えます。通常、千年以上の長い時間を経て、施された装飾ガラス部分は銀化し、銀化が進むと細かい砂、粉末に回帰しますが、輪の両端に粉末化が生じています。なお、輪部分には、セミ・クリアな黄の紋様がほんのり見えます。
本品は、輪部分の細工や、金を意図した黄の斑点紋の胎から、3-4C頃のズ職人の技を凝縮させた逸品で、数の少ないペンダント型ローマンです。千年余を経て、当時の美と異なる、上品な銀化の美を自然の技により出現しました。
サイズ：約15㍉　幅　約10㍉　孔径　約4.5㍉　丸玉の胎　長さ　約9㍉